科学雑誌『Nutrients』に納豆加工食品摂取による腸内細菌叢の変動に関する当社の論文が掲載されました

納豆加工食品摂取による腸内細菌叢の変動を解明
-大規模な日本人腸内細菌叢データベースを用いた考察-

当社の香野らの研究チームは、納豆加工食品の摂取による腸内細菌叢の変化を解析し、その効果を日本人の大規模な腸内細菌叢データベースを用いて考察しました。その結果、納豆加工食品の摂取によりBifidobacteriumおよびBlautiaが増加し、このような腸内細菌叢の変化が糖尿病などの生活習慣病の予防・改善に寄与する可能性が明らかになりました。また、摂取による腸内細菌叢の変動効果は摂取前の腸内細菌叢の構成に依存することが明らかになりました。

本研究成果は、腸内細菌叢の改善を目的とした食品摂取には、事前に腸内細菌叢を把握し、その内容を踏まえて摂取食品を選択することが重要であることを示唆しています。また、BifidobacteriumおよびBlautiaの減少による腸内細菌叢の構成異常を伴う疾患の予防・改善には、納豆加工食品の摂取が有効であると期待されます。

研究チームは、佐賀県江北町の町民モニター205人(男性100人、女性105人)を対象に男女それぞれ納豆加工食品そのもの納豆TM摂取群と非摂取群の2群にランダムに分けたオープン試験を実施し、腸内細菌叢の変動を解析しました。その結果、男性ではBifidobacteriumおよびBlautiaの占有率が、女性ではBifidobacteriumの占有率が納豆加工食品の摂取により有意に増加することが明らかになりました。これらの変動した菌属は、日本人の大規模な腸内細菌叢データベースを用いた解析の結果から、糖尿病などの生活習慣病との関連性が示唆されました。また、摂取による腸内細菌叢の変動効果は摂取前のBifidobacteriumの占有率に依存することが明らかになりました(下図)。

本研究は、科学雑誌『Nutrients』(2022年9月16日付)に掲載されました。
https://www.mdpi.com/2072-6643/14/18/3839

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