『医食品』 (“Food as Medicine”)
当社は、腸内細菌叢の改善を介して疾病を予防・改善するための機能性食品を『医食品』 (“Food as Medicine”)と呼ぶことを提唱しています。
腸内細菌叢の異常(dysbiosis)が様々な疾病と関連していることが明らかになった今日、これらの疾病を予防・改善するためには、腸内細菌叢の異常を改善(治療)するための新たなソリューションが求められています。
当然ながら、疾病の治療に用いられている既存の医薬品は、その多くが疾病に伴う症状の改善を目的としており、腸内細菌叢の異常を改善(治療)することを目的としていません。このため、既存の医薬品では、腸内細菌叢の異常が主たる原因となっている疾病を予防することはもとより根治させることはできません。
そこで、当社では、下記の2つの研究アプローチによって、腸内細菌叢の改善を介して疾病を予防・改善するための機能性食品(『医食品』)の開発に取り組んでいます。
大規模な腸内細菌叢データベースを用いて、腸内細菌叢と疾病の関連性を分析し、各疾病に特異的な腸内細菌叢の構成異常(特定の腸内細菌の過多または過少)を解明する研究アプローチ
特定の食品(成分)の摂取による腸内細菌叢の変動(特定の腸内細菌の増加または減少)を調査する研究アプローチ
つまり、上記の2つの研究アプローチによって、特定の疾病に関連する特定の腸内細菌の過多または過少という構成異常を解明すると同時に、その異常を改善する(特定された腸内細菌を減少または増加させる)可能性のある食品(成分)を特定し、その食品(成分)を用いたヒト介入試験によってその効果を検証するという取り組みです。
この取り組みによって開発された腸内細菌叢の構成異常を改善する機能性食品は、腸内細菌叢の構成異常が主たる原因となっている疾病を予防・改善する効果を科学的に示すことができる『医食品』と位置付けられます。(既存の健康食品やサプリメントとは、この点が全く異なります。)
既存の医薬品のみに依存した治療では、増え続ける一方の生活習慣病や自己免疫疾患、認知症やうつなどの神経・精神疾患を解消できないことから、特に米国において食習慣の見直しや食餌療法に対する関心が高まっています。
アメリカ栄養学会(American Society for Nutrition)は、“Food as Medicine”(薬としての食品)というコンセプトに注目しており、その学会誌であるASNジャーナルは、「薬としての食品への関心の高まりをサポートし、栄養士、臨床医、その他の医療従事者が薬としての介入がどの種類の食品に効果があるのか 、誰が最も利益を得るのか、そしてそれらを最も効果的に実行する方法を判断するのに役立つ独自の研究論文やレビューを出版している」と述べています。
また、ロックフェラー財団は、拡大する食事関連疾患の蔓延と戦うために食品と栄養をヘルスケアに統合する運動“Food is Medicine”プログラムを主 導しており 、「”Food is Medicine”プログラムでは、処方箋の作成や医学的に調整された食事など、食品ベースの介入を利用して、食事関連疾患の予防、管理、治療を支援します。栄養を医療システムに統合すれば、医師は健康的な食品を処方できるようになり、医療費を削減しながら侵襲的な医療サービスの必要性が減ります。」と述べています。
当社の特定の食品(成分)を用いた腸内細菌叢の改善を介した疾病の予防・改善ソリューションの創出という取り組みは、前述の“Food as Medicine”または“Food is Medicine”というコンセプトに腸内細菌叢という新たな視点を統合するものであり、その実現に大きく貢献するものと確信しています。
- アメリカ栄養学会 ( American S ociety f or N utrition)のウェブサイトより
https://nutrition.org/food-as-medicine/ - ロックフェラー財団のウェブサイトより
https://www.rockefellerfoundation.org/initiative/food-is-medicine/