基盤研究

腸内細菌叢DATABANK

近年、腸内細菌に関する関心が年々高まり、『腸内フローラ』・『腸活』という言葉がメディアで頻繁に取り上げられるようになりました。また、微生物研究の分野にとどまらず、医学分野においても、腸内細菌叢と疾病の関係等に関する研究が世界中で急速に進展しています。

しかしながら、未知菌を含む厖大な種の細菌で構成されるヒト腸内細菌叢とヒトの健康状態の関係は、国・地域によって大きく異なることが判明しており、医療現場で活用可能なソリューションへと発展させてゆくためには、国・地域ごとに信頼性の高い大規模なヒト腸内細菌叢のデータベースを構築することが必要とされていました。

そうしたなか、当社は、国立研究開発法人理化学研究所・辨野特別研究室と当社の母体法人である一般社団法人日本農業フロンティア開発機構が共同で構築した日本最大級(約18,000人)の日本人の腸内細菌叢解析データベースを用いて、腸内細菌叢と疾病の関連性に関する研究に取り組み、腸内細菌叢に性差があることを世界で初めて明らかにした他、被検者様の腸内細菌叢データから被検者様の疾病罹患リスクを評価する世界初の手法を考案するなどの画期的な研究成果を生み出しました。

また、こうした研究成果を踏まえて、男女別に被検者様の腸内細菌叢データから被検者様の疾病リスクを分析し、分析結果を踏まえた具体的な摂取推奨食品(成分)情報を提供する、医療現場で活用可能な機能を備えた腸内細菌叢の検査・分析サービス『SYMGRAM®』を開発しました。

当社は、理化学研究所と日本農業フロンティア開発機構が共同で構築した前述の腸内細菌叢解析データベースに本サービスを通じて収集される腸内細菌叢データを統合した『腸内細菌叢DATABANK』を構築し、検査・分析の精度向上と、疾病リスク分析の対象疾病の拡大に取り組み、我が国において増加し続ける生活習慣病等を予防・改善するための新たなソリューションの創出に貢献してまいります。