国際学術誌『Frontiers in Nutrition』に高齢者の認知機能の改善に向けた腸内細菌叢を標的とした食品介入アプローチについての当社の論文が掲載されました

特定の食品摂取による腸内フローラの変動によって高齢者の認知機能が改善
-食品による新たな認知機能改善方法を発見-

当社は、腸内細菌叢と疾病の関連性に関する研究と、腸内細菌叢の改善を介した疾病の予防・改善方法に関する研究・開発に取り組んでいます。この度、当社が行った研究により、タモギタケ、モリンガ、米ぬかのいずれかを8週間摂取した日本人高齢者で、腸内細菌叢の変動を介して認知機能の改善が生じることが明らかになりました。腸内細菌叢を標的とした食品介入アプローチは、低下した高齢者の認知機能の革新的な改善方法となることが期待されます。

研究の要旨とポイント
●腸内細菌叢を標的とした食品介入アプローチによって日本人高齢者の認知機能を改善することができるか検証するために、認知機能低下が疑われる60~79歳の日本人を対象に食品介入試験を実施しました。
●タモギタケ、モリンガ、米ぬかのいずれかの食品を8週間摂取する試験では、認知機能が改善した人(レスポンダー)と改善しなかった人(ノンレスポンダー)が存在しました。
●各食品のレスポンダー群でのみ、認知機能との関連が知られている腸内細菌の変動が観察され、それが高齢者の認知機能の改善につながることが示唆されました。
●認知機能の改善が起きるかどうかは食品摂取前の腸内細菌叢の構成に左右されること、また、食品ごとに認知機能の改善につながる腸内細菌叢の構成が異なることが示唆されました。
●腸内細菌叢と食品の相性を事前に調べることで、認知機能の改善につながりやすい食品を選択して摂取することが可能となります。
●腸内細菌叢を標的とした食品介入アプローチは、従来の医薬品とは異なる方法であり、高齢者の認知機能改善に向けた革新的な解決策につながることが期待されます。

本研究成果は、国際学術誌『Frontiers in Nutrition』(2025年7月21日付)に掲載されました。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnut.2025.1585111

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